1)意義

著作権が存続する一定期間のことを保護期間(存続期間)といいます。保護期間は、著作者の利益を十分に保護すべく、一定期間は著作物を保護しなければならないという要請と、著作物を社会全体の財産として利用させるべきという要請の調和のもとに考え出された概念です。

2)趣旨

著作者は、その著作物でお金もうけしたいと考えるはずです。お金もうけができれば創作意欲(インセンティヴ)がわき、新たな創作活動のための資金も確保できるでしょう。したがって、ある一定期間は著作物を保護し、著作者の利益を確保しなければなりません。

他方、どんなに目新しい著作物であっても、通常は先人の作品や業績をもとにして創作されるものです。そのため、著作権を永続的なものとすると、新たな創作活動が困難となり、文化の発展が阻害されてしまいます。

そこで、一定期間は著作者に独占的権利を付与してその利益を確保する一方で、期間経過後は文化の発展に寄与すべく、社会が著作物を自由に利用できるようにしました。

保護期間が過ぎれば、著作物をだれでも自由に利用することができます。このように、著作権がなく自由に利用できる著作物を、パブリック・ドメインといいます。パブリック・ドメインとなった文学作品をインターネット上で配布するサイトとして、青空文庫があります。