前節(2-3.)では、10条1項に規定されている一般の著作物について述べました。ここでは、特殊な著作物について解説します。

「特殊」といっても著作物であることに変わりはないため、最終的には著作物であるための要件は満たしていなければいけません。特殊な著作物には、二次的著作物、編集著作物、データベースの著作物があります。

1)二次的著作物

二次的著作物とは、著作物を翻訳、編曲、変形、翻案することにより新たに創作された著作物のことをいいます(2条1項11号)。…続きを読む

2)編集著作物

編集著作物とは、編集物(データベースを除く)で、その素材の選択または配列によって創作性を有するもののことをいいます(12条1項)。…続きを読む

3)データベースの著作物

データベースとは、論文、数値、図形その他の情報の集合物で、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように、体系的に構成したもののことをいいます(2条1項10号の3)。編集著作物との大きな違いは、コンピュータにより検索できるか否かです。

データベースの著作物として保護されるのは、情報の選択、または体系的な構成によって創作性を有するものです(12条の2第1項)。たとえば、タウンページはデータベースの著作物といえます(東京地判平成12.3.17「タウンページデータベース」事件)。